障害を有する人の不自由さの程度は,人それぞれに応じて少しずつ異なり,これらの人に関わる周囲の人たちが,「こうゆうものがあったらなぁ」といった,福祉用具についてのアイデアを持ったものの,実用化あるいは発展させたいとかを希望するような人がおられるかと思います.どこに相談すれば良いか判らないという場面から,個々のニーズに応じた福祉用具の開発発展を意図し,種々の職種や研究者が一同に集い討論などして,よりよいものを作製することを目的として,「日本福祉工学会・福祉用具開発研究会」を設立発会しました.この研究会は平成15年11月29日の日本福祉工学会の理事会および総会にて設立が認められ,その目的としては,福祉用具の開発に関する基礎的ならびに臨床への応用などの研究,研究会の開催(具体的には用具の討議)であります.会員は,本会の目的に賛同し,事業の達成に協力する福祉用具の開発に興味と意欲を有する人であるなら誰でも参加可能です.実現化した場合には福祉工学会で発表していただくことも,その目的の一つであります.
現在までに本会に登録された会員は医師,コメディカルスタッフ(看護部門,理学療法士,作業療法士など),機械・土木・工学・環境部門研究者(工業技術センター,大学研究者),あるいは企業に所属する有志の人々等多分野の人が参加して,一つずつのテーマについて,意見を出し合ってよりよい福祉用具の開発に役立てるべく活動中であります.
第1回目は「転倒防止のためのストッキング」,第2回目は「上がり框(かまち)の開発」と言う話題で分野の異なる領域のアイデアについて,会を進めてきており,現時点では参加者はボランティア的に手弁当で討議に参加していただいています.
当然あまり多数のアイデアの話題が集まった場合には事前に書類などを提出して,その考え方をお尋ねする場合もあることは承知おきいただきますが,どうぞ関心のある方は,奮ってご参加ください.
(文責:福祉用具開発研究会委員長 中島育昌)